秋田県高等学校教職員組合ブログ

部活動とは

部活動のあり方について、今一度立ち止まって考えるべき時期にさしかかっていると思います。
いままで、組合(日高教、全教)の中で整理されてきた、部活動の考え方を以下に載せますので、参考にしてください。


部活動はその教育的な意義が多くの人々に共有され、生徒、保護者、地域からも部活動に対する期待があり、教職員にもそれを生きがいとしている側面が見られます。一方で、この活動が学校の活動としてしっかりと法的に位置づけられておらず、各学校が計画する自主的な活動とされることから、外部からの規制も及びにくく、長時間労働の責任の所在もあいまいにされてきました。長時間労働の一大要因としての部活動を改めて考えていきます。

(1)部活動の意義
 部活動の意義は次のように語られています。下記の内容については、教職員以外の多くの方々にとっても共有されるところではないでしょうか。
・「子どもたちの興味・関心・個性にもとづいた自主的活動のなかで、文化・芸術・スポーツに関する知識・技能を身につけ、心身の健全な発達、民主主義的な人格・自治の力などを育む」もの(全教部活動問題討議資料1997年7月5ページ)
・「学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するもの」(高等学校学習指導要領総則2009年3月告示)
・「日本では、教員が、教科指導、生徒指導、部活動指導等を一体的に行うことが特徴となっている。こうした「日本型学校教育」は国際的にも高く評価されており、学校が子供たちの人格的成長に大きな役割を果している。」(前述「学校現場における業務の適正化に向けて」)

(2)部活動の法的位置づけと歴史
①部活動前史
 クラブ活動・部活動は戦前からありましたが、戦時には軍国主義教育の手段、良妻賢母教育の手段として利用されてきた面があります。戦後は、1951年学習指導要領で「特別教育活動」の中にクラブ活動が位置づけられ、学校の正規の活動として行われました。東京オリンピックを契機にスポーツ少年団などの組織化が進められるとともに、冠大会や各種の大会が盛んに行われ、スポーツ選手の低年齢化が進みました。そのような中で、1970年の学習指導要領では、「体力の向上」が掲げられ、教科や特別活動での指導が強調されました。また、週1時間の「必修クラブ」が設置され、放課後のクラブ活動は「部活動」として分離されました。「部活動」は「教育課程の基準としては示していないが(中略)学校の管理下で計画して実施する教育活動」(中学校指導書)とされ、位置づけがあいまいなまま現在に至っています。1989年学習指導要領では、「必修クラブを部活動で代替しうる」とされ、本来自由参加である部活動との関係があいまいになりました。

②部活動の変質
 部活動は東京オリンピックが契機となって1960年代後半から勝利至上主義の側面が現れ、精神主義や長時間練習など部活動の過熱化が進みました。1993年以降は文部省による高校入試の多様化・多元化政策のもとで、調査書の中で部活動を点数化したり、推薦入試の条件にしたりすることも行われるようになりました。学校の「特色づくり」の手段とされた部活動は本来の意義をゆがめられることになりました。

③現在の位置づけ
 部活動は、現行の学習指導要領(2008年3月告示)において初めて記述されました。総則の「5教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項」の(13)に「生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に資するものであり,学校教育の一環として,教育課程との関連が図られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ,地域の人々の協力,社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。」とあります。部活動の意義が語られたほか、「教育課程との関連」が打ち出されています。注意すべきは部活動そのものを自主的・自発的なものとしておらず、その参加が自主的・自発的であることを求めているだけで、部活動の意義を特定の内容に狭めた分だけ、危険な側面もあります。

(3)部活動問題の性質と責任
部活動は、法律や制度の下に成立しているわけではなく、あくまで「自主的な現場の慣習」として成立しています。それは、学習指導要領に記述された後も変わりません。それにもかかわらず、過熱化した部活動は学校の教育活動の大きな部分を占めるようになり、本来の活動や生徒・教職員にさまざまな負の影響((4)で詳述)をもたらす実態も見られます。この現状に対し、諸団体からのさまざまな改善提言、文部科学省からの通知、各教委からのガイドラインなどが示されていますが、現場にはなかなか浸透してきませんでした。それは、「自主的な現場の慣習」であるがゆえに、外部の規制が及びにくかったということができます。
 では、部活動は現場の教職員が国、県の指示のもとでなく現場の慣習の問題として行っているものだからといって、現場である学校、そこで働く教職員・生徒が自ら解決すべき問題なのでしょうか。確かに、その側面はあります。自らの働きぶり、部活動の意義やあり方を振り返るのは大切なことでしょう。しかし、部活動がここまで過熱化してきたのは、、国、県の教育政策がそうさせてきたのです。また、教職員の労働時間管理の責任は、第一義的には使用者である県教委が負うものです。部活動問題について、現場が自己改革することは意義あることですが、「自主的な現場の慣習」の問題に押し留め、国や県の責任を軽く見るのは誤りです。

(4)「過熱化した部活動」による問題点
 「過熱化する部活動」によって教職員の労働だけでなく、子どもや学校運営への影響も見られています。代表的な問題点は下記のようにまとめられます。

①生徒にとって
・長時間過密練習により家族との団欒の時間が取れない、疲れて授業に集中できない、部活動以外のこと(家族のこと、娯楽のこと、社会のことなど)について関心が向かない、成長期の身体に対してダメージが発生する(過負荷による障害、後遺症となる故障)などの影響。
・権利としてのスポーツから逸脱し、体罰・しごき、精神主義にもとづく練習に部活動が変質する可能性。また、アンフェアなプレー・ルール違反の是認、部活動以外の教育活動の軽視、自主・自治能力を喪失などに生徒が陥る可能性。
 ②教員にとって
  ・本務(授業準備、教育相談、分掌業務など)への影響。
  ・自身の健康、家族との団欒、休養・文化の享受など人間らしい生活にとって必須のものの喪失。
・自分が指導できない部活を持つことによるストレスの発生(2014年日本体育協会の調査によると、高校の部活動顧問のうちで40.9%自らが未経験の部活動を持っている)。
③学校にとって
・部活動の成果が学校の看板となっている場合、部活動の評価が極端に高まり、部活動指導教員の発言権が大きくなりすぎる結果、学校の本来の活動が副次的なものになってしまう危険性。
・恣意的な人事異動や管理職登用の手段になり部活動の意義をゆがめる可能性。
・部活動の成績が入試において重視されすぎることによる合否判定の不公正性、不明朗性とそれに伴う学校教育のゆがみ。

 以上のように、教育課程外に位置づけられる部活動が、過熱化し価値を高めすぎることによって、部活動の持つ意義を損なうだけでなく、本来の学校の教育活動をゆがめ、生徒・教職員の生き方・在り方を人間らしいものから大きく逸脱させてしまう要因となるおそれがあります。また、すでに上記の影響が少なくない学校で顕在化しています。

(5)あるべき部活動と教職員の労働
 部活動は子どもの人間的成長・発達にとって重要な意義があり、好ましい機会であることは共有されているところです。しかし、行き過ぎた在り方が本来の意義を損ない、人間らしい生活まで損なうことは先に述べたとおりです。
 では、部活動にはどのような在り方が求められるのでしょうか。部活動が意義を最大に発揮しながら行われる条件は次の一点といってもいいのではないでしょうか。
「生徒の自主的・自発的活動であるという原則を崩さない」ということです。顧問は目標や練習内容などを生徒とともに考え、生徒が自覚的に部活動に取り組めるように援助する役割を担うものであり、顧問中心の運営は本来のあり方ではないと認識すべきです。生徒のニーズから離れた活動もありえません(実際、教員のニーズ、保護者のニーズ、学校のニーズと生徒のニーズは必ずしも一致していません)。子どものスポーツ障害の心配もありません。生徒個人の自由な人生の時間も保障されます(子どもの権利条約31条「締約国は、休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める。」)。部活動が「自主的・自発的活動」であることを確認することは、18歳選挙権が実現し、主権者教育が叫ばれている現在、ますます重要となっているのではないでしょうか。
そもそも、教育は「人格の完成」を目指すものである、という視点からは、学校の「特色」づくりのもとに「成果」を義務づけられ、生徒の自主性を軽視した部活動のあり方はもっとも反するものといえます。生徒の「自主的・自発的活動」である部活動という本来のあり方は、教職員を長時間労働から解放する基本的な視点になるとともに教育的な意義の面でも重要です。

スポンサーサイト

PageTop

秋田県高等学校教職員組合個人情報保護方針(プライバシーポリシー)

秋田県高等学校教職員組合個人情報保護方針(プライバシーポリシー) 2018年4月1日施行

秋田高教組プライバシーポリシー-1
秋田高教組プライバシーポリシー-2
秋田高教組プライバシーポリシー-3

PageTop

2018教職員が実感できる多忙化防止対策 ~働き方改革は意識改革から~(案) に対する意見

2018教職員が実感できる多忙化防止対策
~働き方改革は意識改革から~(案) に対する意見

 以下、秋田県高等学校教職員組合としての意見をお伝えします。よろしくお取り計らいください。

1 はじめに
(1)本防止対策を自分達のものにしていくこと
 学校現場の動きは実に多種多様であり、一律の制度導入では現場に根付かないことは過去のとりくみからも明らかです。そのため、各学校、県教委、高体連、高文連などの各レベルで、本防止対策をもとに実行ある対応策を考え生み出しながら合意形成を図ることを大切にすべきと考えます。各レベルでの協議を促しつつ、冊子に整合する対応策を立てさせながら、全体のものにすることは何より重要なことです。

(2)何よりも子どもの教育の保障のため
 多忙化解消は教育活動の充実、子どもの成長のために役立つことという共通理解を、全教職員、地域、保護者と図ることが大切であります。多忙化解消は、教員の働き方だけでなく、教育そのものを変えていく力になるというとらえ方で、理解を広げていくことも重要です。多忙化解消は、子どもたちに教職員を返すとりくみです。

 以上のスタンスで、全教職員、保護者、地域社会に広く理解してもらいながら、教育現場に根付いたとりくみがなされることが必要です。

2 全体をとおして
(1)現場教職員に責任を押しつけると捉えられかねないサブタイトルの表現は、改めるべきです。
(2)責任を個人に転化する個人目標の設定(p6)は改めるべきです。目標設定は大切な観点ですが、教職員の労働実態の管理責任は学校や県教委が負うべきものです。
(3)本防止対策が職場で継続的にとりくまれるためにも、防止対策が誰に向けたものなのか、どういう力をもつものなのか、どのようにとりくんでいくものなのか、遵守義務等についてわかりにくいものになっています。
(4)県教委の覚悟を強く示すことが必要です。
(5)教職員の多忙化解消は学校教育、教育政策において、どの程度重要なものなのかを明確にするべきです。県教委、管理職、教職員が、多忙化解消を優先順位の低いものとしてとらえてしまっては、この対策は実効性を持たないものになります。
(6)中教審特別部会「緊急提言」、スポーツ庁「ガイドライン」の策定、県教委多忙化解消プロジェクトチームの発足に至る経緯などを説明しながら、教職員の異常な勤務実態、長時間過密労働解消は喫緊の課題であり、児童生徒の教育の保障、教職員の健康の問題、家族の問題であることなど啓発的要素を盛り込むことも必要です。

3 教職員の意識改革(「1 はじめに」に加えて)
(1)教職員の意識改革には、労働基準法、労働安全衛生法などのワークルール理解が必要です。そのためにも、校長をはじめとする管理職、教職員において、秋田県教員育成指標で定める各研修段階において、ワークルール理解を育むことが重要と考えます。
(2)労働安全衛生法で事業主に位置づけられる学校長の役割は重要で、その役割を認識してもらう必要からも、学校という事業体として、働く教職員の労働安全衛生について健全性を確保する必要性や、管理職の安全配慮義務について明示する必要があると考えます。

4 労働安全衛生体制の検証
(1)防止対策の検証が必要だと考えます。検証委員会と具体的な対応策を検討するワーキンググループ、実行に移すタスクフォースが必要ではないでしょうか。教育庁内の総括安全衛生委員会の機能を強化し、その役割を担わせることで対応することも可能だと思います。総括安全衛生委員会の設置は、労働者と使用者双方の参加によって、その役割を果たすことができます。これは、設置が義務づけられている50人以上の職員がいる学校の衛生委員会と考え方は同じです。その委員会設置の趣旨に則り、検証機能を強化するためにも、高教組代表を構成メンバーに加えることを提案します。(職員安全衛生管理要綱上は可能)
(2)学校の自浄作用に期待していますが、労働基準監督機能をもつ組織もまた必要と考えます。本防止対策が策定された後においても、一向に長時間労働が是正されず「長時間労働が常態化」している状態は好ましくありません。長時間労働の摘発、罰則に相当する方法や教職員配置などにより、踏み込んだ安全配慮義務の確実な履行が必要だと思います。

5 4(2)継続的な進行管理
(1)PDCAサイクルを職場内のどこに位置づけるかの記載が必要だと思います。全ての県立学校で衛生委員会が開催されていることから、その全ての学校でPDCAサイクルが機能しているように捉えられがちですが、実際は、協議内容が衛生環境に関するものであったり、長時間過密労働についての話題が協議されていないことなどが報告されています。長時間労働について協議されたとしても、管理職が対象者に対し声かけで終わってしまうなど、対策はまだまだ不十分であります。対象者の勤務時間縮減にしっかりスポットが当たるPDCAサイクルの構築を意識して防止対策を策定する必要があると考えます。
(2)PDCAサイクル自体が多忙化をもたらしているという意見も多くあります。計画の策定より実際に減らすところに時間を割くべきで、PDCAに強弱をつけ、効率的にすすめることが求められます。

6 4(3) 対策の重点化
(1)対策の重点化に入る前に、県教委のスタンスをわかりやすく示すべきです。教育長(知事)より国に対し定数増を要望しているように、県教委の対策の基本は、教職員の増員を求めていくスタンスであることを示しながら、県レベルの対応として、子ども達の指導に関わらない仕事を極力減らすという考え方をしっかり打ち出すべきと考えます。土・日、時間外勤務におこなわれている事業の洗い出し、見直し、縮減を個々の業務についておこなうためにです。各レベルがどこまで踏み込むべきなのか、踏み込んで良いのか判断に迷うことのないようにしてほしいと考えます。
 そのあとに、4つの重点項目(p5)の時間管理、時間意識の徹底の話になると思います。
(2)時間管理については、職員の勤務時間も重要ですが、学校の開閉時間について示すことも重要な観点であると考えます。閉める時間だけでなく、開ける時間について言及することが必要ではないでしょうか。そうすることで、教職員の仕事の基本は子ども達の指導にあり、児童生徒のいない時間にやる仕事の多くは、減量すべき仕事であることを再認識できるようになると考えます。

7 4(5) 県民の共通理解の醸成
 主体的にとりくむことの重要性が謳われていますが、根性論とも受け止められかねないもので、また、各所に丸投げの感が否めません。例えば部活動のあり方については、県教委が主体となり、高体連、高文連、スポーツ団体等でしっかり話し合う場を設定するなどリードすることを定めて、動かしていくようにすべきです。そこまで踏み込むことが困難な場合、どこで議論するのか責任の所在を明らかにし、スケジュールを定めながら、議論を促していくことは合意形成の観点から大切にしなければなりません。本防止対策を叩き台に、1年間で対応策を策定させるなどして、担当レベルで議論をおこしていくことは、当事者意識を育むという意味でも、重要なことです。何も示さずに、「各々で主体的に考えてください」というスタンスに感じられる方法では、防止対策は根付きません。

8 5(1) 目標の設定
(1)目標達成のためには個々の教職員の努力と管理職の責任感が必要と考えます。個人で削減目標を定める方法は、責任転嫁することにつながる恐れがあります。長時間労働で体調を崩した原因は個人にあるということであり、これでは、「いのちと健康」を守ることにつながりません。あくまで、長時間労働是正、安全配慮義務の履行は管理職が責任者として実施することです。学校全体としての削減目標を設定した方が、責任の所在を明確にできます。個人目標の設定は、内部の運用に任せてはいかがでしょうか。合わせて、年次消化についても今まで通り目標設定し、長時間労働礼賛を一掃していくことが求められています。 
(2)労働安全衛生法上、45時間、80時間、100時間はなじみのある基準ですが、目標設定として、「60時間を超えている教職員の割合」とした根拠を、わかりやすく示していただきたいと思います。教職員が納得してとりくむため必要です。

9 5(3)①時間管理・時間意識の徹底
(1)出退勤時間を正確に把握・管理する必要性について、明示するべきです。また、高教組調査では全職員の20%以上が持ち帰り残業をおこなっている実態にあることからも、持ち帰り残業も記載できる勤務時間記録簿にするべきです。特に、子育て中の女性教職員は、持ち帰り残業が多いことが報告されており、防止対策の策定にあたって配慮が必要です。
(2)長時間労働をしている教職員に対する管理職による多忙化解消策は、前述のとおり、声かけに終わってしまっている状況ですので、対象教職員の業務削減が確実に実施できるように、強調した表現も必要だと思います。業務軽減には業務を分担する仕組みづくりが重要なポイントと考えます。
(3)各学校の勤務時間等の実態を主管課に毎月報告することは重要なことでありますが、主管課内の各班で共有されることも、重要なことであります。主管課内の多忙化解消の担当班のみでなく、全庁をあげたとりくみにしていただきたいと思います。
(4)勤務時間の把握(始業、終業時間の把握)とともに自宅を出る時間、帰宅時間にも
目を向けるべきです。その際、各種会議が勤務時間外に当たり前におこなわれている現状に触れるべきです。また、遠距離通勤解消の観点から、そのような人事異動は極力さけるべきですし現場における配慮も求められています。

10 5(3)① 最終退勤時刻 
 学校の最終退勤時刻の設定については、生徒の送迎事情により最終退校時刻を調整する学校があるとしていますが、生徒の送迎事情があったとしても、早めに帰ることができるように学校の活動を調整すること、保護者の協力を取り付けることなどを盛り込み、できるだけ最終退勤時間を守る方向で学校運営ができるように策定すべきです(一本前の電車で帰れるようにするなども含めて)。このように、生徒の活動時間を教員の勤務時間に合わせ、生徒の完全下校時刻を教員の勤務時間と対応させるべきで、はみ出す時間については、管理職が責任をもって回復措置を講ずる必要があります。

11 5(3)① 学校閉庁日
 長期休業中「3日以上の学校閉庁日を設定する」としていますが、「3日以上」は必ず設定するとしつつも、日程の調整は学校事情に応じて運用に柔軟性を持たせる必要があります。ただ初年度は、県教委通達で「8月13日(月)~15日(水)を学校閉庁日とする」といった強制力のあるものが必要で、学校裁量だけでは限界があると考えます。はじめから学校事情に応じて運用を柔軟にしてしまうと、設定しない学校や、設定しても有名無実化してしまうことが、他県におけるとりくみの教訓であります。また、県教委が正式に定めることで県民の理解も得やすくなるメリットがあります。その上で、冬季休業中においても、学校事情に応じて積極的に設定を促していくことが必要だと思います。

12 5(3)③ 部活動指導の負担軽減
 長時間過密労働の主たる原因である部活動のあり方について、「土日1日以上を休養日とする」とし、歯止めを示したことは歓迎すべきことです。しかし、合意形成のない制度設計は、なし崩しになります。やはり、現場での十分な同意形成ができるよう、議論を促すことが必要です。特に、県立学校における部活動は、中学校以上に複雑な要素を抱えております。各所(高体連、高文連、各専門部会、労働安全衛生委員会、職員会議など)で話し合いをし、一定の歯止めを共有しつつ柔軟なあり方を許容することも必要です。その上で、必要な条例・規則改正をおこなうのがよいのではないかと思います。
 また、PTA、三者・四者協議会の中で、子ども目線、保護者目線の確保、教職員の長時間労働是正、競技力の維持確保、中学校と異なる高校の現状、部活動時間、休養日などの観点から話し合いをおこなうことで、広い合意が得られるのではないでしょうか。一方で生徒が自主的に活動できる環境整備も必要になりますし、外部指導者導入による練習時間の長時間化、顧問の調整業務を増やすことになりかねない懸念への配慮も必要になると考えます。
                                     以 上

PageTop

秋田県教員育成指標(案)への意見書について (高教組パブリックコメント) 

県教委が、秋田県教員育成指標(案)へのパブリックコメントを募集していますので、高教組として提出しました。
文科省、県教委のリンクを貼りましたので、ごらんください。
教員の要請をいかに考えれば良いのか、いろいろ考える機会になりました。高教組パブリックコメントを以下記載しますので、ご覧下さい。

秋田県教員育成指標(案)への意見書について

文科省 教員養成部会

高教組の意見は以下(11箇所)のとおりですので、よろしくお取り扱いください。

●基礎的素養を土台として、本県の教育課題への対応に必要な力を、「マネジメント能力」「生徒指導」「教科指導」としていますが、教員の力としては、いささか限定された狭い力を示していると思います。教員は常に、本県の教育課題のみならず、いじめ、生徒の自殺、貧困問題などをはじめとした、生徒の実態に目を向けることが求められるべきですし、教職員自らが広い視野を持つことが、生徒の能力を広げることになると考えます。秋田県のことだけにとらわれず、他県等の状況にも精通している教員であることが客観視する上でも必要だと思います。以上のことから、幅広い視野で俯瞰して見ることができる人材育成が必要だと考えます。
●「指導」「習得」「遂行」「改善」などの言葉が多く、管理統制を強める印象があります。教員による教育活動は、教員の自発性や創造性によるところが大きいものであり、教育公務員特例法では、教員の研修権について特別にさだめていることからも、教員自身が自ら能力を伸ばす研修のあり方についても検討が必要と考えます。
●教員の仕事は、協力共同の関係によって成り立っています。職場での人間関係の構築は大切な資質といえ、職員全体で教育力向上をはかる視点からの研修も必要です。実際、現場教職員の中には競争意識が働いており、教職員の分断がかなり深刻なレベルで起きていると考えています。
●2017年度からスタートした「新人事評価制度」は、これまで同様、その評価結果は一定程度職員の待遇に反映させ、人事管理の基礎とされております。新制度導入にあたって県教委は、「評価」結果を「賃金」と連動しないとしましたが、そのことは、職員間の競争を加速させ、教職員の協力共同の関係が壊れないようにする配慮が必要との見解から来ていると考えます。そのためにも、第4ステージ【管理職】の「人事考課」という直接的な表現はさけるべきだと思います。また、管理職こそ、リーダーシップだけでなく、それと同等以上に、教職員との人間関係を構築する能力や調整する能力が必要だと考えます。
●本法律では、文科大臣が教員の資質向上に関する「指針」を定め、それにもとづき任命権者と関係する大学とで構成する協議会で各県等の「指標」を作成し、計画を定めるとなっています。法律制定にあたり、衆議院や参議院の審議においては、指針、指標、育成計画等を通じて、国の意向を反映した教員養成がおこなわれる危険性があるとの懸念が多くの委員から表明されました。また、審議の答弁では、文科大臣が策定する「指針」は、大綱的なものであり、特定の価値観等の押しつけになってはならない。任命権者が「指針」を参酌して定める「指標」は、「指針」に拘束されるものではないとしています。多くの委員が、指針、指標、育成計画等を通じて、国の意向を反映した教員養成がおこなわれる危険性があるとの懸念を表明していた実態もあります。
 教育委員会制度は、戦後、教育が政治の影響を受けないように制度設計されました。「特定の党派的影響力から中立性を確保する」のが教育委員会制度の趣旨であり、国または、県議会等における政治的影響が教育行政を歪めることのないように制度設計していくことが必要だと考えます。そのことからも、「秋田県教育委員会指標(案)について」においては、拘束されるものでない旨の記載が必要だと思いますし、協議会において、そのことについて共通認識できるよう対応していくことが必要だと考えます。
●よって、「倫理観」、「心構え」、「高邁な教育理念」などの観念的な表現につきましては、審議における答弁の不安を払拭するよう、より具体的な内容にすべきと考えます。 
●「協議会」の透明性が必要ですし、構成メンバーや、構成メンバーの任用根拠、会議録等の提示をおこなうべきであると考えます。
●法案審議においては、さらに、教員が力量を高め、能力を発揮するためには、学校現場の自主性や裁量が重要であること、子どもに向き合う時間を確保するためには定数増や少人数学級が必要であることなどについても、幾度となくやりとりがおこなわれました。教員の時間確保について、協議会等でさらに検討することが必要と考えます。
●審議では、中堅教諭等資質向上研修について、「10年研の負担軽減も目的であり、更新講習と一部重ねることも可能であること」などが答弁されています。そのことからも、効果的な研修のあり方について、検討が必要です。また、青年教職員からは、授業風景を自分でビデオ撮影し、編集し提出するといった、過度に負担がかかる研修の改善が指摘されています。負担軽減になる育成のあり方は、是非、見直していただきたい内容であり、そのことを踏まえた指標にすべきと考えます。
●2017年11月30日、超党派の国会議員が、労働法規やその活用法に関する教育を進めるための議員立法「ワークルール教育推進法案」をまとめ、来年の通常国会に提出しました。「ブラック企業」や「働き方」が社会問題化する中、国民に労働に関するルールを理解してもらい、働く人を守ることをめざすとしています。自治体と協力し、学校の授業や公民館での講座など、子どもから高齢者まで幅広い年代が教育を受けられるように環境を整備するとした法律ですが、企業が従業員に対してワークルールの理解を深められるように努めることも明記したものです。高校生や青年の早期離職が問題になっていますが、このような、教育の広まりが健全な事業活動の促進、社会の形成につながると考えます。そのためにも、生徒に教える立場の教職員が労働法規等の研修を積んでおくことは、非常に重要なことと考えますし、職場全体で教職員の働き方を改善する視点をもつためにもワークルールの理解についての研修が求められています。
●また、養護教諭、実習教諭などについての記載も必要だと考えました。
                                
以上、よろしくお願い致します。

PageTop

臨時講師の任用の空白期間廃止へ

現在、地公法、地方自治法が改定されたことにより、非正規教職員の法的位置づけがかわろうとしていますが、そのことについて、画期的なニュースがあります。

神奈川県教委が、来年度からいわゆる「空白の一日」を廃止し、常勤講師の任用期間が最大で4/1~3/31となるようです。組合と神奈川県教委との確定交渉の中で明らかになったようです。
全国的に臨時講師の年度末の任用が切れる期間のことを「空白の一日」と呼んでいますが、秋田の場合は、3/29~31の3日間のため、「空白の3日」になります。

文科省も問題視している「空白の一日」
12/11に行われた全日本教職員組合(全教)臨時教職員対策部と文科省との交渉で、文科省は「任用期間はその職務を十分に果たすために必要な期間で定められるべきで、勤務しなければならない状況にあるにもかかわらず『空白の一日』を設けているとすればそれは違法行為と言わざるを得ない。」と明言しました。神奈川県教委の決定は、この文科省の意向をしっかりと受け止めたものと言えます。

​意味のない「空白の一日」
​地方公務員法では、住民のために全力を尽くして奉仕しなければならない公務員はその身分を保障するために原則として正式任用であるべき、という考えから、臨時的任用(非正規雇用)が許される条件を厳しく限定し、同じ人を何度もくり返し臨時的任用することを禁じています。しかし学校現場ではみなさんご存知のように、同じ人が何度も何度もくり返し、何年もの間臨時教員として任用され続けています。この実態を、「法律違反ではない。」と言い張るために、任用と任用の間に1日または数日の空白期間をつくってきたのが「空白の一日」です。
しかし、このことについて、地方行政を管轄する総務省も、教育行政を管轄する文科省も、「空白があるから地公法違反でないということにはならない。」「臨時的任用をするために空白期間を設けなければならないという法的根拠はどこにもない。」などと否定してきました。

​秋田県でもぜひ「空白の一日」の解消を​
秋田では、県教委との交渉の中で、「空白期間を設けないこと」という要求を昨年度から出しています。会計年度職員の動きが出ていますが、総務省の作成した会計年度職員導入にあたってのマニュアルの中において、会計年度職員、臨時講師は空白期間をもうけないことと明示されています。

現場の実態として、この空白期間に部活動指導している人もいることから、任用がきれた状態で働いていることも大きな問題として指摘されています。

これまで、​​​​任用期間が3/28で切られることによって、臨時講師は3月だけ国民健康保険に加入しなければならなかったり、夏のボーナスが減額されたりと、様々な不利益を被ってきました。任用期間が4/1~3/31になれば、退職金を受け取る権利が生まれますし、2年以上続けて任用されれば共済組合への加入資格も得ることができます。

青年部の交渉も1月~2月に予定されていますが、この点は大きな焦点として捉え、突破できるように頑張っていきたいと思います。

PageTop